バラエティ番組の中にも題材がある:ソーラーパネルは何度傾けるのがよいか

<あさいちのゲストコメント>

2019年7月16日のあさいち(NHK総合)の話題は戸外で浴びる紫外線(UV)の量でした。 そして、足の甲に降り注ぐUVが意外と多いことに私も含め多くの視聴者が驚いたことでしょう。 足の甲が太陽光を横切る向きにあるからですが、ゲストの一人(名前は失念)の 「ソーラーパネルも30度傾けるしね」に私の頭が反応しました。 この数字はSunTrackerプログラムで説明がつくはずですし、 水平面と垂直面のどちらから測った角度なのかも疑問です(知る人ぞ知る話かも?)。

<どう解いたらよいか>

日時計が作る影」のページでは、面が水平面から角度β傾いた日時計を考えました。 柱の影がどこにできるかではなく、面に直接あたる光の量を計算するのが課題です。

太陽の高さと向きだけで決まる、つまり季節による日照時間の変動はないとすれば次の式を計算すればよいことになります。

ここで P0 は太陽からの光パワーで一定の値を取ります(パワー×時間の累積値がエネルギーです)。i は日にち、t は時刻です。条件を表す C は、 水平面から上に太陽が出ていること、パネルの前方に太陽があることを明示します。 α はパネル設置場所の緯度、β は水平面からの傾き角、ψ と φ は太陽の位置です。

<計算結果>

iの和を5日おきに1年間取り、積分を4分ごとの和で近似して得られた結果を右に紹介します。上から東京、札幌、那覇の緯度において 傾き角が変わると太陽パワーの通年積算値がどう変わるかを示しています。 緯度と傾き角をほぼ同じにすればよいという、極めて実用的な結果が得られました。


7-25-2019, S. Hayashi