ピラテス・スタジオで隣り合わせになる確率

(2) Monte Carlo 法で考える

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2人の場所をランダムに決める

A, B の場所 (m=1..N) を乱数で決めよう。 スタジオ内で一様に分布するであろうから
   mA=INT(N*RAND())+1
とおける。RAND() は一様乱数、INT は整数化関数である。B については (N-1)個のうちから選ぶことになるから
   mB=INT((N-1)*RAND())+1,
とおく。もし mA=mB となったら mB=N に変更する。

次にAとBが隣り合わせか否かを (1) で作成した pos2D[m,k] を用いて調べる。n回繰り返して隣り合わせになった回数がkであれば P=k/n が求める確率である。

右図は10,000回繰り返した場合にPがどう推移するかを示したものである。P〜0.174 であり、(1) で求めた 0.173 とよく一致する。

Monte Carlo 法による確率P

アニメーションで

2人をランダムに配置した場合に、お互いが近いか近くないかの判断が正しくできているかをチェックするために、Pythonでプログラムを組んだ。 図では20回の試行で3回成功している(詳しくは ここ)。

図の小さい(黄色の)●は座れる場所(35人分)、 中くらいの●は隣りあわせになれない配置、大きい●は隣りあわせになれた配置。

もっと現実的なモデル

これまでレッスン参加者全員の意思なり希望なりを全く無視したモデルを考えてきた。そのため特定の二人についてランダムな場所配置を考えればよかった。特定の対象に着目すればよいという意味で、分子の熱運動と似ている。
もっと現実的なのは、AとBはこれまで通りランダムに場所を選ぶとするが、他の参加者は自分の好みを反映して場所を決めてよいとするモデルである。

バイアスのかかった空きスペース

その場合、隣りあわせになる確率は、AとBが登録する時点での空きスペースの割合θに依存するであろう。これまで考えてきたモデルはθ=100%に相当する。
ランダム性を減らすということは、θの空きスペースを作るということになる。その空きスペースは、例えば入り口から遠いほうが密になりがちとかのように不均一に分布するであろう。不均一を別の言葉でいえば、バイアスのかかったランダムな分布である。

5-1-,4-20-2023, S. Hayashi