<問題の意味>
k歩動けば、ランダムウォーカーがいる場所は i=-k(すべて -1)から+k(すべて +1) の範囲です。 この範囲にある地点 i に至る経路の出現確率 p(i,k) を求めよというのが問題の意味です。
前回(1)の発想でいえば、k歩で実現する経路をすべて数え上げます(N(k)本)。そして特定のi値に至る経路をすべて数え上げます(n(i,k)本)。
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<経路の数え上げ>
図の〇の中の数字が経路の数です。
+1の出た回数を n+、-1の出た回数を n-するとn++n-Cn+通りの方法があります。
また |
<漸化式>
p(i, k+1)=[p(i-1, k) + p(i+1, k)]/2 の成り立つことが証明できます。この関係を図式化すれば次のようになります。 |
<拡散過程との関連>
x=iΔx, t=kΔt とおき、刻み幅を十分細かくします。その代わり i と k は十分大きいものとします。 階乗に対してスターリング(Stirling)の公式を適用すると確率の近似解が右のように得られます。Dは拡散係数といいます。 tを固定してPの分布を調べるとガウス型関数であることがわかります。またPの広がり幅は 2√Dt になります。 |