<1. マンガン乾電池を選ぶ> ここで扱うのはマンガン乾電池です。間違えてアルカリ乾電池を使うと失明する期間があります。表示を確認しましょう。 原則として中古のマンガン乾電池を使います(例外的に 3 では新品を使いました)。 | <マンガン乾電池とアルカリ乾電池を区別する>
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<2. ぐるりと穴をあける> マンガン乾電池の再利用は、首回りに穴を空けることから始めます。 使用する工具:長さ 4, 5 cm の釘、金槌、(-)ドライバー 手順:いきなり釘を強く打ち付けると釘が滑って怪我をしかねないので二段戦法をお勧めします。つまり、最初は位置決めのために小さな凹みを作ります。 次にその凹みに釘の先をあてがって強くうちつけます。数回で穴があく程度の強さがよいでしょう。それを20〜30個回繰り返します。 (注) ボール盤と卓上万力が使えれば手早くできます。
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<マンガン乾電池に穴を空ける>
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<3. ヘッド部を切り離す> (-)ドライバーを隣り合った穴の間にあてがって金槌で叩けば穴どうしがつながります。根気よく繰り返せば乾電池のヘッド部が切り離せます。いわば開頭手術です。 <新品で開頭した乾電池は年数を経ると駄目になるか?> 右の写真は新品で開頭手術した乾電池です。9年経過したものは 1.45 V, 11年経過したものは 1.35 V でした。意外と頑張っているなという感じがします。
クイズ:新品のマンガン乾電池で実験します。真ん中の炭素棒を半分引き抜くと、電圧は「・半分になる、・変わらない」のどちらでしょうか?
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<ヘッド部を切り離したマンガン乾電池>
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<4. 中味を取り出す> まず、炭素棒をつなげたままでヘッド部を本体からとりはずします。本体の中には黒粉末がありますが、掻き出して保存しておきます (二酸化マンガンが含まれているのでオキシドールに加えれば酸素が発生します)。 あとには亜鉛缶が残りますが、外装は取りはずします。そうして図のように炭素棒と亜鉛缶が得られます。 炭素棒は電気分解の電極として使えます。市販品の入手もできますがサイズは異なります。 この亜鉛缶は長期間放置されていたので腐食が随分進んでいますが、新品と交換した直後の中古乾電池なら金属光沢があるでしょう。 防食実験には比較的きれいな亜鉛缶を用いています。
(参考)林 茂雄,「エンジニアのための電気化学」(コロナ社、2012) 第2章。 |
<炭素棒と亜鉛缶> ここまでボロボロになった亜鉛缶は珍しい
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